THE RAPTURE / In the Grace of Your Love

In the Grace of Your Love

　前作の『Pieces of the People We Love』以来、5年振りの新作となるようです。「House Of Jealous Lovers」と続く『Echoes』で時代の流れを作った後、前作はその余韻もあってアゲアゲの要素がありましたが、ディスコパンクって言葉が完全に古臭くなった今、すごい哀愁の漂うソウルフルなアルバムを仕上げてきました。
　このアルバムを印象付けているのが中盤に続く「Come Back To Me」と「In The Grace Of Your Love」の物悲しいトーンに包まれたハウストラックで、どちらも美しくて切なくていいすね。このトーンは終盤に収録されたシングル曲「How Deep Is Your Love?」にも引き継がれてて、この曲がまた素晴らしい出来。ハウスビートに絡むピアノの音律が抜群で、中盤から響くサックスにもヤラレますね。名曲です。
　1曲目の「Sail Away」とラストを締めくくる「It Takes Time To Be A Man」もそれぞれアルバムの流れとしては完璧だし、「Roller Coaster」や「Children」もいい感じです。アルバムとしての統一感があって、これはなかなかの傑作だと思います。いいアルバムです。前作よりも断然好きですね。