Beastie Boys / Hot Sauce Committee Pt.2

ホット・ソース・コミッティー・パート2

ホット・ソース・コミッティー・パート2

 ラップアルバムとしては『To the 5 Boroughs』以来、7年振りになるようです。MCAの癌の治療のため、2009年には完成してた作品をここまで発売延期してたこともあり、ファンとしては待ちに待ったアルバムと言えますよね。
 パッと聴いた印象では、『Chech Your Head』とか『Ill Communication』の頃のサウンドを感じましたが、エレクトロっぽい雰囲気もあり、そのあたりは『To the 5 Boroughs』の手法も取り入れられてる感じがしますね。それで、久しぶりにオルタナ感と言うか、ストリート感のあるアルバムになってて、こういうのはやっぱりワクワクしますね。
 アルバムはシングルとなっている「Make Some Noise」から始まりますが、まずこの曲がいいですね。電子オルガンの音が印象的で、ビースティーズが復活したことを印象付けます。続く「Nonstop Disco Powerpack」では、PEの「911 Is A Joke」のようなアドロックの大仏ラップが面白いし、「OK」はポップな仕上がりで親しみやすいし、NASをフィーチャーした「Too Many Rappers」、オルタナパンクっぽい「Say It」と続く前半は多彩な仕上がりでいい感じです。
 それで、1曲インタールードをはさんだ後の7曲目、SANTIGOLDをフィーチャーした「Don't Play No Game That I Can't Win」が素晴らしい出来。スカ/ダンスホール調のこの曲は、SANTIGOLDのボーカルと3人のラップが見事にマッチしてて、特にサビでのマイクDの「Danger!」とアドロックの「That's Danger!」が何とも言えずいい味を出してて最高です。その他、後半では「Funky Donkey」や、「Heart Attack Man」を思い出す「Lee Majors Come Again」、渋いインストの「Multilateral Nuclear Disarmament」がいいすね。
 ヒイキ目に見ても、こういうアルバムを作ってくれたことだけで嬉しいところです。まだまだひよらずにこれからも頑張って欲しいところですが、MCAはまだ完治したワケではないようです。ライブ見たいですけどね。
 それと、歌詞カードでMCごとに色分けしてるのはいいですね。ジャケットといい、今作はアートワークがかなりいい感じです。日本盤に収録されてる「Make Some Noise」のコーネリアスのリミックスもいい感じなので、日本盤で正解ですね。