THA BLUE HERB/THAT’S THE WAY HOPE GOES [DVD]

『HELP』と一緒にHMVで買ってました。これがねーすごくいいんですよ。今日はちょっと長々とヒップホップのこと、ブルーハーブのことを書きたいと思います。
僕は普段、そんなにヒップホップを聴くほうではないんですけどけっこう好きで、OUTKASTとかJURASSIC 5なんかのどちらかと言えばハッピーでアゲアゲなやつを聴いてます。その好きか嫌いかの判断と言えば、もうほとんど『音』(MC含め)なんですよね。まあ英語の意味が一発で入ってこないんでそうなってくるのも当然なんですけども。ただブルーハーブに関してはやっぱり『言葉』に惹かれるわけで、このDVDでもその『言葉』というものが次々と畳み掛けてきます。まさしく重厚な2時間23分。前半はライブにインタビューやレコーディング風景をはさみつつ、後半はほぼライブとなってて、後半に進むほど重く、深くなっていきます。BOSSの放つ言葉はまさしくリアルなメッセージとなって食い込んできます。ほんとにもう、かっこいいとしか言いようが無いんですけど。
ごく初期の頃のライブ映像とか入ってますけど、彼らはどんどん進化して、深化していってると思うんですよね。BOSSもインタビューで語ってますけど、当初は自分らがどれほどスゴいのかをアピールしてたと思います。それがDISであったりするんですけども*1*2ある程度売れ出して(リスナーが出来て)からは、そのリリックがさらにメッセージ性を持って来てるんだなと思いました。でそのリスナーに対する気持ち、ライブでの客に対する気持ちがこう、激しくぶつかって鬼気迫る空気と言うか、ガチンコ的な空気が生まれるんですよね。リアルというか。ヒップホップが単なるパーティミュージックじゃないということを彼らは証明してるし、体現してるし、このDVDを見てもそれは明らかだと思います。
でまあ何が一番言いたいかというと、このDVDマジでいいですよということなんですよ。選曲もこれまでの総決算的なものとなってて、いい感じです。個人的見所は、前半のすげー狭そうなクラブでしてるとことか、生音で演ってる「孤墳」とか、畳み掛けるような「ウルトラC」とか、憎らしいほどかっこいい「A SWEET LITTLE DIS」とかですかね。あとは「行くも地獄、引くの地獄」っていうあたりのMCとか「TIME IS KEYWORD」っていうフレーズが印象に残ってます。後半はもう圧倒的なところもあってやられますね。個人的に好きな「SMILE WITH TEARS」とか「未来は俺等の手の中*3」に興奮、初めて聴いた「野良犬」とか「時代は変わる」もかっこ良かったですね。
最後にONOのインタビューを紹介します。「(BOSSは)かっこいいラッパー。かっこ良くないとダメでしょ、ラッパーなんて。技術も全てにおいて。ライブ見て、うわーすげーって奴なんて見たことないね、BOSS以外。」
何かこういうのぐっと来ます。

*1:『セイホーとかって時間稼いで、さくっと終わってステージを降りて、その街の女とかを物色するようなラッパー』をDISるワケです。編集者やラジオDJや僕みたいなネットで無記名で批評するような輩をDISるワケです。

*2:こうやって成り上がっていくのがヒップホップの文化なんですよね。

*3:前半削ってるのが残念ですけど。